フィアット 500 vs MINI(BMW) MINI |
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往年の銘車フィアット500(チンクエチェント)の復活で、同じく復活していたMINIも含めた復活した銘車対決を行ないます。 オリジナルと同じメーカーが復活させた500と、BMWの買収により復活したMINIのコンセプトが、昔と今でどのように違うのか、また、現行の2台は どんなクルマなのか、詳しく見ていきましょう。 デザイン面 500は、オリジナルの雰囲気を感じさせるクロームメッキパーツがポイントです。 オリジナルの造形を基本としつつも、パネルの継ぎ目の滑らかさなど細かい部分は最新の作りとなっています。 ボンネットの段差やクロームメッキを使ったフロント廻りが最もオリジナルの形を残しているといえるでしょう。 逆にサイドからリア廻りにかけては、ちょっと現代風な、スムーズな造形でまとめられています。 特に側面からルーフにかけての造形は、曲線を使った現代風のデザインとなっています。 全体的に見るとオリジナルのイメージを残したまま、うまく現代のクルマに仕上げているといえるでしょう。 MINIは復活して既に2代目です。 屋根の収め方やフロント廻りの造形は過去のイメージを上手く取り入れていますが、モデルチェンジで昔の雰囲気が弱まってしまったのが残念です。 細かい作りこみがしっかりしているので、かなり現代的にも見えます。 ガラスが曲面になっているのも大きな要素で、昔の雰囲気を取り入れつつ現代風に仕上げたデザインは見事といえます。 オリジナルの再現性からいえば、本家作成の500が一歩有利といえそうです。 MINIはエンジンがBMWに変わって、デザイン面でもクロームメッキ部位が簡略化されてしまいました。 メーカーが変わってしまったMINIは、オリジナルに対するこだわりも薄くなってしまった感じを受けるのです。 現代のクルマとして見れば、造形面では500の方が現代的で、デザインの要素はMINIのほうが現代的といえそうです。 いずれも現代的な空力を意識して、スムーズな面のつくりとなっています。 ただ、MINIの方が現代のデザインの流れとはちょっと違うので、個性を強く感じる点では有利といえるのかもしれません。 500はオリジナルの造形が現代のクルマに通じる曲面基調なので、細かい部分の作りこみでオリジナルを意識させていますから、デザインの個性としては若干弱く感じてしまいます。 内装と操作系 500はインテリアでも、懐かしさは健在です。 オリジナルと同様なデザインのシートや、古風なパネルのデザインに懐かしさを感じます。 しかしダッシュボードや操作部分からメータ周りは現代的な素材とデザインでまとめられています。 また、シンプルなデザインの操作系のデザインは、分かりやすそうです。 MINIは、インパネ廻りはクロームメッキのリングがちょっとうるさく感じます。 メカニカルな演出しても、所詮プラスチック。 このあたりはちょっと外しているかんじでしょうか。 アクセントカラーを使ったダッシュボード下部は、程よいアクセントになっています。 操作系については、無理にマークにあわせたデザインの中にボタンを埋め込んでいるので、ちょっと戸惑いそうです。 内部のデザインでは、500のオリジナルと現代のデザインを組み合わせた方法の方が好感が持てます。 MINIは、オリジナルのイメージを半端に残している為に、質感とデザイン要素が反発する印象を受けてしまうのです。 といっても、デザインについて細かく見ればというレベルです。 全体としてみれば、どちらもオリジナルティー溢れる良いデザインといえるでしょう。 他にこんな個性のあるインテリアのクルマは ほとんどありません。 現代のクルマとして割り切ったデザインを行なっている500の方が、納得できるデザインかな という印象です。 ボディー面 500の仕様を見ると、サイズはコンパクトで、高さはヨーロッパのクルマとしては結構高く、縦と横のバランスが、オリジナルに近い比率となっています。 全体の小ささを高さでカバーというコンセプトは変わっていないようです。 ホイールベースは2,300mmと短く、後席は狭さを感じるかもしれません。 また、車重も1,010kgとコンパクトなサイズやエンジンの割には重くなっていますが、EuroNCAPで5つ星を取るには必要な重さともいえます。 MINIは、コンパクトとはいえ、オリジナルのイメージからすると、かなりワイドになりました。 高さが抑えられているので、縦と横のバランスがオリジナルよりも平べったくなっています。 そのおかげか、安定感を感じるデザインといえます。 ホイールベースが結構長く、室内空間を高さでなくホイールベースで稼ごうとしているところが、このサイズのクルマらしくないところといえそうです。 車重も重く、さすがドイツ車、イギリス時代のMINIとは正反対です。 ボディー面では、500がオリジナルと同じような考え方で室内空間を確保していることが伺えます。 対するMINIは小さい車で最大の室内空間確保というオリジナルのコンセプトとは異なり、室内の広さより安定した走りを重視しているように感じられます。 メカニズム面 500のエンジンは若干ロングストロークのシングルカムで、出力は5,500rpmで69馬力、トルクも3,000rpmで102Nmと控えめな数値です。 ドライブバイワイヤーや連続可変式バルブタイミング機構を装備、ESP、ASR、HBA、ヒルホールドシステムなど、電子制御システムはフル装備とも言える豪華さです。 燃費は15.6km/Lと輸入車としては一般的といえますが、排気量を考えると今一つ、7つのエアバッグを標準装備で、安全性は十分でしょう。 タイヤは185/55 R15と十分な大きさですが、ブレーキはフロントがソリッドディスクなのが弱点といえます。 MINIのエンジンはスクエアに近いDOHCで、出力は6,000rpmで95馬力、トルクは4,000rpmで140Nmと一般的な用途では十分といえるエンジンです。 ミッションはCVTで、燃費は17.2km/Lと輸入車としては優秀で、日本車に準じる数値になりました。 このあたりは、エンジンがBMW製である利点といえるでしょう。 タイヤは175/65 R15と標準的なサイズです。 エンジン面ではMINIの圧勝といえるでしょう。 排気量の違いを考慮しても、MINIの搭載されるBMW製エンジンは優秀で、燃費も良好です。 500のエンジンは、単体で見るとイタリア車らしい性能ですが、MINIのエンジンと比較すると見劣りしてしまいます。 逆に電子装備や安全性では後発の500は、フル装備ともいえる豪華仕様でMINIを少し上回っています。 足廻りでは500のブレーキが気になります。 フロントでもソリッドディスクなので、山道の運転では若干不安がありそうです。 総評 フィアット500は、オリジナルと現代のクルマの上手い融合が最大のポイントといえそうです。 デザイン面でもメカニカル面でも、古い部分と新しい部分が融合しています。 ただ、その古い部分が弱点となっている点が気になるところともいえそうです。 MINIは、デザインを除いて最新のクルマといって良いでしょう。 BMW製FFといっても良いような、メカニズムや走りに対するこだわりが感じられます。 ただ、デザイン面では昔のイメージを無理に引きずっている部分が幾つか見られます。 素材とデザインは一体のものであるはずなのに、素材を無視したデザインが感じられてしまう点が弱点といえそうです。 500は昔のイメージを上手く残した現代のクルマで、MINIは昔のイメージの殻を被った最新のクルマという違いがあります。 やはり、オリジナルと作ったメーカーと買収されてしまったメーカーでは、オリジナルのクルマに対する意識が大きく異なるようです。 MINIはデザインではMINIを真似ていますが、造りから考え方までBMWなのです。 それ故にBMWのクルマに準じる、高いクオリティーを保っているといえそうです。 対する500は、良くも悪くもオリジナルの500を引きずっています。 デザインや造りに対するこだわりは強いものの、クルマの総合的な性能では弱い部分が見え隠れしてしまいます。 この弱点部分に対して どのように感じるかによって、この2台の選択は決まってくるようですね。 用語について 左 フィアット 500 右 MINI MINI 以下 仕様です。 500はスタンダードグレード、MINIはONEグレードを紹介します。
data:2008/04/26 ページトップへ 車を考える部屋 |
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