プジョー 207 vs ルノー ルーテシア
 
 
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対決!コンパクトカー

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フランスのコンパクトカー プジョー 207 と ルノー ルーテシア が相次いでモデルチェンジしました。
フランス車も国際化の流れで、全体的なまとめ方が かなり変わってきています。
フランスの最新のクルマの流れを、この2台を比較することで考えてみようと思います。

デザイン面
207は、大胆なフロントマスクや鋭くなった猫目のヘッドライトで存在感をアピールしています。
動きのあるサイドラインが 猫科のデザインを強調、後輪廻りも猫足をイメージしたかのようなデザインです。
リア廻りの造形が複雑で、筋肉を感じさせる形となっています。
フロントとリアのモールが強調されている部分については好みが分かれそうですが、全体的にライオンのイメージを強調することをデザインテーマとした感じです。

ルーテシアは、直線を基調とした、かなりシャープで存在感があるフロントデザインです。
後ろから見ると少しかわいらしさも感じられ、お尻がキュートなのはメガーヌだけじゃないと強調しているような感じです。
バランスが悪いような良いような、不思議なバランスですが、よく見ると目に馴染んでくるのはさすがと言った所でしょう。

207は動きのあるライオン(猫バスではない・・・と思います)のイメージを上手くデザインとしてまとめています。
対するルーテシアは、クリーンなデザインの中にキュートさを織り込んだ 微妙ながら上手いデザインバランスでまとめています。
やはりデザイン力については、フランスのレベルの高さを感じるところです。

内装と操作系
207は、しっかりした作りのシートです。
デザイン全体はフラットでシンプルにまとめています。
目に付く上面をフラットにまとめ、下部に動きがあるデザインを採用して全体が単調になることを防いでいます。
操作系ではシンプルなデザインの中に左右独立調整式エアコンが目立ちます。
全体ではシンプルさと高級感を両立したデザインで、かなりグレードが高い内装でまとまっています。

ルーテシアは、シートはしっかり作ってあります。
インパネ廻りは楕円を縁取りして強調した、結構にぎやかなデザインです。
外観フロントのスマートさとは違って、リアの丸さにつられた感じでしょうか。
フラットなパネルの中での立体感は、ちょっと好き嫌いがあるかもしれませんが、センスの良さは感じるデザインです。

内装については、高級感を重視した207に対して、新しい 軽快かつちょっと派手なデザインでまとめたルーテシアといえそうです。
質感は共にかなり高級感があり、シートも共にフランス車らしくしっかりしています。

ボディー面
207の方が少し長く広いのですが、高さは若干ルーテシアが高いですね。
共に幅が1700mmを超えて3ナンバーです。
ホイールベースでは逆にルーテシアが35mm長く、トレッドは207が僅かに広くなっています。
車重は207が1,260kgとほとんどドイツ車レベルまで重くなって、ルーテシアも1,130kgとかなり重くなっています。

大きさは両車とも、ヨーロッパのBセグメントとしてもかなり大きくなっており、207にいたっては307と大差のない大きさまで大きくなりました。
車重もボディーの強度を重視したためか、ドイツ車に負けないほど重くなっています。

メカニズム面
最小回転半径は207が5.4mと大きめで、燃費もヨーロッパ車の中でも悪いレベルに留まっています。
ルーテシアにはデータがありませんが、似たような感じだと想像されます。
ようやくボディー剛性でドイツ車に追いついたので、燃費についてはこれからといった感じでしょうか。

エンジンはどちらも1.6Lですが、207がロングストローク、ルーテシアがほとんどスクエアという違いがあります。
最大出力は207が6,000rpmで88KWを発生するのに対し、ルーテシアが6,000rpmで82KWを発生。
最大トルクについては、207が4,250rpmで160Nmを発生するのに対し、ルーテシアが4,250rpmで151Nmを発生です。
エンジン面ではBMWと共同開発した207が優秀で、ルーテシアは日本車の1.5Lレベルです。
ルーテシアのエンジンに関しては、ニッサンの技術の導入が待たれるところでしょう。

ミッションは共に4速のトルクコンバーターで、ルーテシアはマニュアルモード付です。
ブレーキは共にリアもディスク、タイヤは207がワンサイズ大きい195/55 R16で、ルーテシアが185/60 R15と、207はスポーティーさを意識していることがうかがえます。


総評
207はプジョーのデザインの流れを汲むライオン系のデザインを上手にまとめていて、内装は比較的真面目です。
対してルーテシアはシャープなデザインの中にかわいらしさをプラス、不思議なまとまりを見せるデザインで、内装は軽快さを強調しています。

ボディーは共にかなり大きくなり、安全性を重視したことで車重も重くなっています。
その中でも、207が重くどっしりした印象で、ルーテシアが比較的軽快さを重視したまとめ方で、外観とは反対で、内装に近い印象です。
共に内装の質感はかなりグレードが上がっています。

エンジン面では207の優秀さが目立ちました。
ルーテシアはニッサンのエンジン技術さえ入れば良くなるはずなので、改善を期待したいところですね。

207は走りを重視した真面目なまとめ方の上に特異の外装をまとったクルマといえそうで、ルーテシアは全てが軽快さとスマートさのバランスの上に成り立っているという印象です。

フランス車はドイツ車に安全性で追いつくことを重視しすぎたために、燃費の向上という国際的な流れには取り残されているという印象を受けます。
しかし、デザインその他 クルマ作りに関しては高いレベルを保っているので、あとは燃費という課題だけともいえそうです。
2009年10月、207がマイナーチェンジしましたが、価格以外に差が少ないので、データを修正して継続掲載します。


左 プジョー 207                      右 ルノー ルーテシア



以下 仕様です。
207はPremiumグレード、ルーテシアは1.6AT 5ドアグレードを紹介します。
項目 プジョー 207 ルノー ルーテシア 1.6AT 5ドア
価格 ¥2,190,000 ¥2,098,000
形式 ABA-A75F01 ABA-RK4M
寸法・重量
全長 4,045mm 3,990mm
全幅 1,750mm 1,720mm
全高 1,480mm 1,485mm
ホイール
ベース
2,540mm 2,575mm
トレッド
前/後
1,465/1,460mm 1,460/1,455mm
最低地上高 140mm --mm
車両重量 1,260kg 1,130kg
乗車定員 5名 5名
性能
最小回転R 5.4m --m
燃料消費率 11.2km/l --km/l
エンジン
種類 直列4気筒DOHC 直列4気筒DOHC
内径×工程 77.0×85.8mm 79.5×80.5mm
総排気量 1,598cc 1,598cc
圧縮比 10.5 --
最大出力 88KW/6,000rpm
(120PS)
82KW/6,000rpm
(112PS)
最大トルク 160Nm/4,250rpm
(16.3kgm)
151Nm/4,250rpm
(15.4kgm)
燃料
供給装置
電子制御式燃料噴射 マルチポイント
インジェクション
燃料タンク
容量
50L 55L
使用燃料 プレミアムガソリン プレミアムガソリン
諸装置
クラッチ トルコン トルコン
トランス
ミッション
4速オートマチック マニュアルモード付プロアクティブ
4段オートマチック
フロント
サス
マクファーソン
ストラット式
アンチロールバー付
--
リア
サス
トーションビーム式 --
ブレーキ
(前輪)
Vディスク Vディスク
ブレーキ
(後輪)
ディスク ディスク
駆動方式 前輪駆動方式 前輪駆動方式
使用
タイヤ
195/55 R16 185/60 R15

data:2009/10/12



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