ニッサン キューブ vs ダイハツ クー2006年6月掲載
 
 
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過去の対決!コンパクトカー



日本のスタイリッシュ コンパクトカーの2台 ニッサン キューブ と ダイハツ クー を比較します。
ニッサンが昔から続けてきたジャンルにダイハツが挑戦してきました。
同じ流れであるトヨタのbBは、ちょっと派手すぎるのでダイハツのクーで参戦です。
どんな違いが見られるか、早速比べていきましょう。

デザイン面
キューブはホントに四角の2BOXで角だけを丸めたデザインです。
フロントグリルからサイドにかけてはレトロチックな要素を上手く今風に再生しています。
サイドからリアに回りこんで、フレームを片側だけ隠した窓などは見事なデザインですね。
横開きのリアドアは使い勝手以上に全体のデザインにマッチしています。
全体的にレトロな要素(角型である全体の形もそうですね)を今風に上手く処理して、オリジナルな窓を強調しつつバランスよくまとめた、いいデザインです。

クーはトヨタのbBと兄弟車ですが、ちょっと派手過ぎる感のあるbBから、バンパーやリア部分を変更して適度なカッコ良さを出し、より万人向きに仕上げています。
フラットに近い屋根で側面の窓の下端もほぼ水平と水平線を強調していますが、フロントからホイール廻りはなだらかに膨らませてRV的な力強さを出しています。
リアは、跳ね上がって勢いを強調しているコンビランプの左右をつないで、元気さは感じるけど奇抜ではないという絶妙のバランスでまとめています。
全体的には、適度に活きの良さや力強さを盛り込みつつ大人っぽさも感じさせる絶妙なバランスでまとめています。

デザインでは、レトロなデザインと現代風なデザインを上手く融合することで見事なデザインにまとめ上げたキューブ、元気さと力強さを感じさせつつ今風の大人のデザインにまとめ上げたクーという感じです。

内装と操作系
キューブのシートは、結構しっかりしているようです。
インパネ廻りは外見同様四角型が基本で角を丸めています。
一見、昔の地味なRV風にも見えますが、角を丸めて丸型の操作部分を組み合わせているので、少し柔らかさも感じるデザインでとなっています。
メーターや操作部分はコンパクトにまとめて配置されているので操作しやすそうで、基本的にはボーイッシュなデザインですが、明るい方の内装なら性別を選ばない感じになります。
外見よりも内装の方がレトロな感じが少し強調されていますね。

クーのシートは、作り自体は普通ですが、シートアレンジは豊富です。
内装のインパネ廻りはセンターメーターでイルミネーションが多く、ちょっと派手です。
デザインは弓形の流れの中に丸い要素をはめ込んでいて、少し未来風のクールなデザインです。
全体としては、派手なイルミネーションで、外見よりも若さを強調した内装となっています。

レトロな部分を強調した ちょっと地味めな内装のキューブ、ちょっと派手めでクールな若さを強調したクーという内部のデザインで、内装と外装のデザインの方向性が両車で逆転しています。
ただ、レトロなデザインは大人には敬遠される傾向があるので、キューブの内装も若者向きであると言えますね。

ボディー面
全体の大きさはキューブがクーより気持ち小さいで位しょうか。
しかし、ホイールベースはクーがキューブより110mm長く、クーのほうが後部座席に余裕があるようです。
トレッドはクーが僅かに広い程度で、車重は小さいはずのキューブがクーより30kgほど重いようです。
しかし、その差は少ないので、ホイールベース以外には両者にそれほど気になる違いはありません。
後部座席はクーが広いので、あえて分ければシングル向きのキューブ、ファミリー向けのクーとも言えます。

メカニズム面
最小回転半径は、キューブが4.4mとかなり小さく、クーは4.9mと普通ですから、比較するとキューブはかなり小回りが利くようです。
燃費はCVTのキューブがトルコンのクーより12パーセントも良く、CVTの有利さを感じるところです。
エンジンを見てみると、キューブは、ほとんどスクエアストローク、最大出力80KWは6,000rpm、最大トルク148Nmは4,400rpmとこのクラスではトルクが良く出ているエンジンといえますね。

クーは、かなりのロングストロークで、最大出力80KWは6,000rpm、最大トルク1431mは4,400rpmとごく普通のエンジンです。
エンジンでは、キューブのトルクが良くさらにCVTですから、加速ではクーよりキューブが一歩リードといったところです。

ガソリン容量はキューブの45Lに対してクーが40Lと、燃費が良くガソリンも多く積めるキューブが航続距離でも一歩リード、しかし、こちらの差は大して気にならないですね。
タイヤがキューブが175/60 R15で、クーが185/55 R15。
クーが気持ち大きく、長いホイールベースと、差が少ないながらもトレッドの広さと低い高さを合わせて考えると、クーのほうがキューブより安定性で一歩リードしています。

メカニズム面では、キューブが小回りが利いて加速が良く、クーが安定性が良いといえるようです。
走りに関しては元気で小回りが利くキューブ、安定性を重視しているクーと分かれました。
ここでは若者向きのキューブ、ファミリー向けのクーと言えそうですね。


総評
どちらもデザイン面でかなりレベルが高くなったことを感じます。
レトロの要素を現代風にアレンジした上に、新しさを加えて見事なデザインを作り出したキューブと元気で活きの良い各パーツを上手くまとめることで大人っぽささえ感じるデザインに仕上げたクーと言う、デザイン的に質の高い比較となりました。
どちらが良いですかと言うより、どちらが好きですか、という感性の部分で選ぶべきクルマですね。

性能面では、どちらも現代のクルマとしては標準的ですが、全体としては気持ちキューブがリードしているようです。
キューブが活きの良い走り、クーが安定した走りという性格の違いで選んでも良いでしょう。

全体では、キューブがほとんどの面で若者にターゲットを絞っているのに対し、クーは若者と大人っぽさが同居した微妙なバランスの中で成り立っているようです。

用語について

左 ダイハツ クー                      右 ニッサン キューブ



以下 仕様です。
クーは1.5CXグレード、キューブは15RXグレードを紹介します。
項目 ダイハツ クー 1.5CX ニッサン キューブ 15RX
価格 ¥1,617,000 ¥1,551,900
形式 DBA-M402S DBA-YZ11
寸法・重量
全長 3,800mm 3,750mm
全幅 1,690mm 1,670mm
全高 1,635mm 1,640mm
ホイール
ベース
2,540mm 2,430mm
トレッド
前/後
1,470/1,465mm 1,460/1,455mm
最低地上高 150mm 150mm
車両重量 1,070kg 1,100kg
乗車定員 5名 5名
性能
最小回転R 4.9m 4.4m
燃料消費率 16.0km/l 18.0km/l
エンジン
種類 水冷直列4気筒
16バルブDOHC横置
直列4気筒DOHC
内径×工程 72.0×91.8mm 78.0×78.4mm
総排気量 1,495cc 1,498cc
圧縮比 10.0 10.5
最大出力 80KW/6,000rpm
(109PS)
80KW/6,000rpm
(109PS)
最大トルク 141Nm/4,400rpm
(14.4kgm)
148Nm/4,400rpm
(15.1kgm)
燃料
供給装置
電子制御式燃料噴射装置 電子制御式燃料噴射装置
燃料タンク
容量
40L 45L
使用燃料 レギュラーガソリン レギュラーガソリン
諸装置
クラッチ 3要素1段2相式
(トルコン・ロックアップ機構付)
CVT
トランス
ミッション
4速オートマチック エクストロニックCVT
フロント
サス
マクファーソン
ストラット式
コイルスプリング
独立懸架ストラット式
リア
サス
トーションビーム式
コイルスプリング
トーションビーム式
ブレーキ
(前輪)
Vディスク Vディスク
ブレーキ
(後輪)
リーディングトレーリング式
ドラム
リーディングトレーリング式
駆動方式 前輪駆動方式 前輪駆動方式
使用
タイヤ
185/55 R15 175/60 R15

data:2006/06/28



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