フォルクスワーゲン ポロGTI vs ミツビシ コルト ラリーアート 2006年4月掲載 |
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過去の対決!コンパクトカー |
日本とドイツにそれぞれ150馬力(コルトは厳密には147馬力)ターボエンジンを搭載したコンパクトハッチバックが登場しました。 日本では ミツビシ コルト ラリーアート で、もう一方は フォルクスワーゲン ポロGTI です。 どんな違いと共通点があるのか、比較していきましょう。 デザイン面 コルトラリアートはノーマルのすっきりしたデザインをベースに全体的に大人しくまとめられているので、一見するとホットハッチには見えません。 この抑えたデザインはこれまでのミツビシ車にはあまり見られなかったので、ある意味新鮮ですが、物足りない人もいるかもしれません。 全体的に大人向きのホットハッチというデザインです。 ポロGTIはベースでもかなり力強いデザインですが、さらにフロント周りを強調して力強さに凄みを増しています。 フロントメッシュグリルにちょっと大き目のリアスポイラー、ツインエグゾーストパイプとレッドブレーキキャリパーは最近のVWのGTI系の定番です。 ドイツ車としては過剰な演出のデザインにも見えますが、子供っぽくはないので嫌らしさは感じません。 リアから見た感じがちょっと大人しい点は違和感を感じる部分でもあります。 デザインでは、目立たず大人しいコルトラリアートと、力強さを強調したポロGTIといったところでしょう。 内装と操作系 コルトラリアートは、シートは普通で内装もほとんど手を加えていないのでホットハッチやスポーティーといった雰囲気とは無縁な車に見えます。 デザイン上は、ホントに目立たずという点で一貫した流れです。 ポロGTIは、シートはしっかりしていて、インパネ廻りはブラック調、革巻きステアリングと定番の手法ですが過剰なデザインではないので結構落ち着いて見えます。 内装については基本的にはどちらも目立たず大人しくという方向ですが、ノーマルとほとんど変わらないコルトラリアートと抑えた感じで手を加えているポロGTIという違いはあります。 ボディー面 ポロGTIのほうが、高さが85mm低い以外は外形はほとんど同じです。 ホイールベースとトレッドがコルトラリアートの方が長いので、高さによる安定性の不利をここでカバーしているようです。 重心だけを考えると両者同等でしょうが、車重はコルトラリアートが80kg軽く、タイヤは205/45 R16対185/55 R15とポロGTI有利なので、コーナーリングはどちらとも言えませんね。 軽快なコルトラリアートとどっしりしたポロGTIといったところでしょうけど、数値から想像すると差は少ないようです。 後は実車の味付けで、軽快な日本車とどっしりしたドイツ車という傾向を強めているのではないかと思われます。 メカニズム面 コルトラリアートのエンジンは気持ちロングストロークで、ライトプレッシャーターボのようです。 最大出力108KWは6,000rpm、最大トルク180Nmは2,500rpmで発生しています。 1.5Lエンジンとしてはトルクを欲張っていないので、軽いタービンを軽く回そうという設計のようです。 このあたりはランサーなどと違って、ヨーロッパ的なセッティングで実用性を重視したことが伺えます。 ミッションもCVTだけですし、タイヤも185/55 R15と無理していませんから、基本コンセプトは実用車で余裕のためにパワーを追加したといった印象で、ラリアートというイメージからはちょっと外れた感じがします。 ポロGTIのエンジンはドイツ車らしくライトプレッシャーターボです。 最大出力110KWは5,800rpm、最大トルク220Nmは1,950-4,500rpmと低速トルクを出すためのターボともいえます。 1.8L 5バルブのターボエンジンでこの数字ですから、タービンは最小限しか利かせていないようです。 数値だけ見ると同じメーカーでゴルフの2.0L直噴エンジンとほとんど同じ出力とトルクですから。 (逆に載せる事が出来れば2.0Lのほうが軽くなった可能性もありますね。) どちらにしても、車重とサイズに対しては十分以上のエンジンで、タイヤも205/45 R16と十分な大きさの物です。 ここではっきりしたのは、コルトラリアートは実用車の延長線でエンジン(加速)に余裕を持たせるためにターボを付けたという印象で、ポロGTIはスポーティーを狙っているけども根が真面目なので実用車の延長に見えてしまうという印象が感じられます。 総評 コルトラリアートは、基本的には実用車のようで、峠を攻めるというよりは ノーマルよりエンジンに余裕を持って普通に走りたい人向きという印象を受けました。 このあたりが外見の普通さにも出ているようです。 もともと、ノーマルの上級車と価格差も少なく、マニュアル設定も無いのでスポーティーを強調する車ではないようですね。 ラリアートの名前に期待しすぎると、ちょっと肩透かしを食うかもしれません。 ベースが良いクルマで、エンジンも過剰な設定ではないので、バランスいい車にはなっていると思います。 ポロGTIは、全体的にしっかり作ってあるホットハッチといっても良いでしょう。 全体的に細かい部分までノーマルから手を加えてありますし、外見も力強いデザインとなっています。 ただ、エンジンの性格が大人しそうなので、峠道を攻めるというより、冷静に速く走るという感じでしょうか。 こちらは車両価格も高いですが、その分以上の手は加えてあるといった感じです。 結論としては、コルトラリアートはノーマル車のエンジン上級仕様で、ポロGTIは気真面目な飛ばし屋?という感じでしょうか。 価格も考え方もかなり異なる車だったというのが印象でした。 左 ポロGTI 右 コルト ラリーアート 以下 仕様です。 ポロGTIは2ドア、コルト ラリーアートのナビ付は除外して紹介します。
data:2006/04/29 ページトップへ 車を考える部屋 |
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