フォルクスワーゲン ポロ vs フォード フィエスタ2006年8月掲載 |
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過去の対決!コンパクトカー |
質実剛健のイメージが強いドイツ車の2台、ポロとフィエスタを比較しつつ、現在のドイツ車には、どんな変化が見られるのか考えてみます。 デザイン面 ポロはアウディから派生してきたフロントのデザインで、かなり力強いデザインです。 2ドアはサイドからリアにかけての絞り込みと窓の切れ上がり方のおかげで、かなりアクティブなデザインとなっていますが、4ドアのサイドはちょっとおとなしめの印象です。 リアはブレーキランプ廻りの丸いリングがアクセントです。 全体としては、2ドアは力強さの上にスポーティーさも強調したデザインで、4ドアは少し地味目だが力強さを感じるデザインとドアの枚数でイメージが少し変わります。 フィエスタはフォードの最近のデザインに則ったデザインで、全体的にシャープでエッジを利かせたデザインです。 余計な出っ張りなどが無く、リア部分を2段階で落としたスムーズな屋根ラインをしています。 過剰なデザインがないので、一見地味にも見えますが、シャープな面の組み合わせでスマートさを強調したデザインというべきでしょう。 デザインでは、力強さを基本に2ドアはアクティブさを、4ドアはスタンダードさを加えたデザインのポロと、シャープでクリーンなデザインを強調したフィエスタといった感じです。 内装と操作系 ポロのシートはしっかりしていそうですが、デザインは普通です。 インパネ廻りは質感が高そうで、しっかり作ってありますが、デザインはちょっと地味さを感じます。 高級セダンのデザインを取り込んでいるようですが、廻りの作りや形からすると少し違和感を感じるところです。 適度なボタンの大きさとすっきりした配置で、操作はやりやすそうです。 フィエスタもシートはしっかりしていそうです。 インパネ廻りは角を丸めた四角と丸の組み合わせで、ミニコンポを想像させるパネルに操作ボタンをまとめていて、操作性は良さそうです。 全体的にかなりダイナミックな造形で、メカニカルなデザインを強調してるところが、若者向けではありますが子供っぽい感じも受けます。 仕上の質感が高く、デザインでも高級感を演出しようとしてちょっとバランスを崩したポロと、スポーティーさの表現をメカニカルさに求めた為ちょっと子供っぽくなってしまったフィエスタといった感じです。 デザインの方向性はかなり異なりますが、操作性は共に良さそうで、この良心的なつくり方には好感が持てます。 ボディー面 両車とも大きさはほぼ同じですが、ポロが少し狭く、少し背が高いです。 ホイールベースは大差ないですが、トレッドではポロが前60mm 後35mm狭く、フィエスタは形からも低く広くというスポーティーさを追求していることが想像できます。 最低地上高は2台とも他の車に比べて低めで、ポロが135mmフィエスタにいたっては125mmとホットハッチ並みに低い数値となっています。 エンジンが小さいポロがフィエスタより30kg重く、日本車の平均より1割弱重くなっています。 フィエスタはプラットフォームが同じで背が高いデミオやベリーサよりも30kg重く、エンジンの差は0.1Lですからより丈夫に作ってありそうです。 重いだけでは、より安全とは一概には言えませんが、ドイツ車全体に車重が重い傾向がありますから、より丈夫だと言って良いとでしょう。 ただ、昔より差が少なくなりつつあるので、他の車も安全性を意識するようになったことが数値からも読み取れます。 ボディー面では、走りより内部空間の広さと安全性を強調したポロに、スポーティーに走る為に低く広くを追求したフィエスタといえます。 メカニズム面 エンジンは共にDOHCと、最近では日本車並みにヨーロッパ車もDOHC化が進んでいます。 ポロはほとんどスクエアの1.4Lで最大出力55KWは5,000rpmで発生、最大トルク126Nmは3,800rpmで発生と一見SOHCにも見える中回転型で実用的なエンジンですが車重が重いので非力さを感じる場合もありそうです。 フィエスタはほとんどスクエアの1.6Lで最大出力74KWは6,000rpmで発生、最大トルク146Nmは4,000rpmで発生とこちらは普通に高回転型です。 ミッションは共にトルコン、サスペンションはポロがフロントにスタビライザーを配して安定性を加えているようで、フィエスタはリアがツイストビーム式と名称は違いますが基本構造は同じなので同等でしょうか。 ポロのブレーキとタイヤはこのクラスでは標準的で、フィエスタはリアのブレーキがドラムですが、タイヤは195/50とスポーティーなタイヤを履いています。 エンジン面ではフィエスタの圧勝ですが、他の部分はポロがバランスよく、フィエスタがスポーティーといえます。 総評 やはりドイツ車の丈夫さはいまだ健在のようです。 ただ、最近では国際的なメーカー間の提携や各社の安全性の追及によって、その差がなくなりつつあることも感じることができました。 そのような状況下で、ドイツ車は更なる丈夫さと新しい付加価値を追加することに力を注いでいるようです。 ポロは力強さと高級感を強調した内外装、丈夫なボディーにちょっと非力なエンジンと、実用面での安心感や安定感を強調しつつ高級感を味付けとして加えています。 大人の為のコンパクトカーとして、日本のコンパクトプレミアムカーとは一線を画した造りの良さを感じます。 フィエスタはシャープな造形と若さやスピード感を強調したデザインで、丈夫さにスポーティーさを追加し、若者にアピールしようという意図を強く感じます。 ドイツ車らしい丈夫さをたっぷり味わいたい場合はポロ、丈夫さは程々でスポーティーな走りも欲しい場合はフィエスタという選択になりそうです。 用語について 左 フォード フィエスタ 右 フォルクスワーゲン ポロ 以下 仕様です。 フィエスタはGHIAグレード、ポロは4doorグレードを紹介します。
data:2006/08/03 ページトップへ 車を考える部屋 |
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