BMW ミニクーパーS vs メルセデスベンツ Aクラス A200ターボアバンギャルド2006年6月掲載 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
過去の対決!コンパクトカー |
ドイツの高級ハッチバックであるミニとAクラスに各々スポーツモデルがあります。 一つは BMW ミニクーパーS で、もう一つは メルセデスベンツ Aクラス A200ターボアバンギャルド です。 外見からまったく異なるこの2台にどんな違いと共通点があるのか、比較していきましょう。 デザイン面 A200ターボアバンギャルドはノーマルの安定感のあるデザインほとんどそのままで、一見するとホットハッチには見えません。 ただ、前作と違って重心を低く感じさせるデザインなので、スポーティーなイメージを元々持っています。 メルセデスというブランドイメージに則った、大人のホットハッチというデザインです。 ミニクーパーSはデザインベースが名車MINIなので、できるだけイメージを崩さないようにしているようです。 コンパクトできびきび走りそうなイメージを与えてくれるデザインにまとめてあります。 ノーマルとの変更部分は結構あるのですが、エアインテーク以外ほとんどノーマルのイメージのままです。 デザインでは、重厚感のある大人のデザインのA200ターボアバンギャルドと、軽快できびきび走りそうなイメージをしたミニクーパーSといったところでしょう。 内装と操作系 A200ターボアバンギャルドは、基本はスポーティーというよりコンフォート重視というまとめ方です。 本革とクロームメッキを多用することで、大人のクルマを強調したデザインです。 ミニクーパーSは、シートはしっかりしていて、インパネ廻りはスポーティモデルとしては適度に派手な形となっています。 ノーマルとほぼ同じですが、元々元気な部分を強調していたデザインなのでホットハッチらしい感じです。 内装については、A200ターボアバンギャルドは大人の高級スポーティーという部分を強調して、ミニクーパーSは若々しい元気なホットハッチの典型的な形です。 年齢層が20歳ほども違いそうなデザインのまとめ方です。 ボディー面 全体的にA200ターボアバンギャルドのほうが一回り大きく、高さも130mm高いです。 ホイールベースとトレッドもA200ターボアバンギャルドの方が長く広いので、高さによる安定性の不利をここでカバーしているようです。 重心だけを考えると両者同等でしょうが、車重はミニクーパーSが190kg軽く、タイヤは215/45 R17対195/55 R16とA200ターボアバンギャルド有利。 コーナーリングは安定感重視のA200ターボアバンギャルド対軽快感重視のミニクーパーSと分かれているようです。 そのコンセプトの違いが、数値からもはっきり分かる程徹底しています。 メカニズム面 A200ターボアバンギャルドのエンジンはほぼスクエアでSOHC、圧縮比9.2とターボとしては高めでライトプレッシャーターボのようです。 最大出力142KWは4,850rpm、最大トルク280Nmは1,800-4,850rpmで発生。 エンジンとしてはトルクを増やすのが目的のターボのようで、広い範囲でフラットトルクを実現しています。 トルクと出力の回転数が同じなので、4,850rpmまでしか回らないエンジンのようですね。 ミッションは無段変速機で、タイヤは215/45 R17とほとんどスポーティーセダン並み。 このあたりからも、トルクに任せた高速クルージングが得意のようで、エンジンを回してきびきび走るクルマではないことが伺えます。 ミニクーパーSのエンジンはロングストロークのSOHC、スーパーチャージャーと一見低回転型のエンジンに見えます。 しかし、最大出力125KWは6,000rpm、最大トルク220Nmは4,000rpmと意外に高い回転まで使えるエンジンのようです。 低速トルクを重視した基本形をベースにスポーティーのため高い回転数まで使えるようにチューニングしたという感じでしょうか。 どちらにしても、車重とサイズに対しては過剰ともいえるエンジンです。 タイヤはA200ターボアバンギャルドが215/45 R17と大きく小さいコーナーには向かないようで、ミニクーパーSは195/55 R16と以外に欲張っていない大きさなのは、コーナーリングの軽快さを狙ったものと言う感じを受けます。 ここではっきりしたことは、A200ターボアバンギャルドは高速クルージング前提で安定志向のトルク重視という作りで、ミニクーパーSは低速の扱いやすさを基本にしつつもコーナーで楽しくなる味付けを加えていった作りという印象です。 総評 A200ターボアバンギャルドは、基本的にアウトバーンなどを高速でも落ち着いて走れることに重点を置いた高級クルージングカーを狙っているようです。 このあたりが外見のメルセデスらしいデザインや落ち着いた高級感のある内装にも出ているようです。 なんとなくAMGを思い起こさせるような気もするところからも、メルセデスの高級車らしく仕上がっているようです。 ミニクーパーSは、基本のつくりは安定志向なのですが、それをチューニングやデザインでホットハッチらしく仕上げていったような感じを受けます。 元々の安定志向の作りから、コーナーリングの速さも想像させてくれます。 こちらはオリジナルMINIが持っていたコーナーの楽しさに重点を置いて仕上げられたようで、内装にもその楽しさの演出を強く感じます。 結論としては、A200ターボアバンギャルドは高速クルージング重視の高級志向のクルマで、ミニクーパーSはコーナーの楽しさを外観や内装からも演出したクルマとはっきり分かれました。 価格はどちらもコンパクトカーとしては高価なのですが、高速クルージングのA200ターボアバンギャルドとコーナーの楽しさを追求したミニクーパーSと正反対の性格を持つ車がスペックの上でも良く分かるほど徹底していたというのが印象的でした。 左 ミニクーパーS 右 A200ターボアバンギャルド 以下 仕様です。 ミニクーパーS、A200ターボアバンギャルド共に単一グレード。
data:2006/06/03 ページトップへ 車を考える部屋 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|