トヨタ ヴィッツ vs トヨタ イスト |
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新しい未来派デザインをまとったトヨタのコンパクトカーの代表の2台 ヴィッツ と イスト を比較します。 7月にフルモデルチェンジして新しいヴィッツのプラットフォームがベースに変わったイストと8月にマイナーチェンジしたヴィッツは、共に未来的なデザイン面で目を引くものになっています。 その他にも、違いがありそうなので、その違いを詳しく見ていきましょう。 デザイン面 ヴィッツはボンネットのリブやリアに向かって持ち上がる窓廻りの曲線やエッジの取り方など、がんばったデザインです。 バンパーやグリル、ランプを一体感を出すデザインとすることで全体が引き締まりました。 フロントバンパーがスマートなデザインで、グリルもシンプル。 そしてリアバンパーも周囲とのつながりを考えた形で、ナンバープレート廻りのデザインと相まって素直でなだらかに落ちる形にまとめられています。 新しいデザインをしっかり抑えてまとめたデザインとなっています。 イストは、かなりRV風のイメージを強くしたデザインです。 フロントグリル廻りが印象的で、ホイール廻りのアーチ型からバンパー廻りはRV風の迫力があるデザインとしています。 リア廻りはヴィッツの造形が基本で、バンパーをRV風にという傾向でまとめています。 ヴィッツの上半身にRV風の下半身で、現代的なRV風デザインとしてまとめた印象で、全体としては都会的RV風を上手く演出しています。 ヴィッツとイストのデザインの方向性としての関係は、ポロに対するクロスポロの関係に似ているようです。 ただ、ヴィッツは万人向きのデザインの範囲内で新しさを求めているのに対し、イストはより大人向きのデザインを指向している点が大きく異なります。 内装と操作系 ヴィッツのシートは標準レベルですが、UとI’LLのグレードで「快適温熱シート(運転席)」を採用です。 インパネ廻りは未来志向のデザインで、ちょっと抑える色づかいで行き過ぎたデザインを抑えている感じです。 収納類のデザインは良いのですが、スイッチの配置が縦方向でかなり下まで伸びていますので、エアコンの調整が大変そうです。 エアバッグが、サイドとカーテンシールドが全グレードに標準装備された点が評価できます。 イストのシートも標準レベルでしょう。 インパネ廻りはかなり動きのある曲面を多用し、ダイナミックな造形となっています。 全体を黒で統一、徹底して力強い躍動感を追及したデザインです。 操作系も曲面を多用しているにも関わらずボタンが大きめなので、配置を覚えてしまえば操作はし易そうな印象です。 デザイン自体の統一感はあるのですが、ちょっと個性が強過ぎる点で好き嫌い分かれる可能性はあります。 外見のクールなRV風のデザインとはちょっと似合わない感じを受けるのです。 どちらも内装は未来志向ですが、ちょっと抑えて万人向きを意識したヴィッツに対し、イストはダイナミックな個性の強い内装となっています。 ヴィッツは外装のイメージに似合っているのですが、イストは外装の大人っぽさより若い強い個性を強調しているので多少違和感を感じる場合も在りそうです。 また、ヴィッツの全グレードでのフルエアバッグ装備はコンパクトカーとしては画期的です。 ボディー面 全長は145mm幅が30mm、そして高さが5mmヴィッツよりイストが大きくなっています。 ホイールベースは両車同じですが、タイヤが違う為にトレッドはイストが広くなり、リアはさらに広がっているので足廻りの作りが若干異なるのかもしれません。 最低地上高もイストが20mm高くなっていますが、これはタイヤによる差でしょう。 車重がヴィッツよりイストが90kgも重くなっています。 大きさの違いよりも重さの違いが大きいようで、このあたり、イストの内部の作りがしっかりしているのか、装備による重量増加か、気になるところです。 メカニズム面 最小回転半径はヴィッツの4.7Mに対し、イストは5.5Mと相当大きくなっています。 タイヤのサイズアップで、フロント廻りの動きがかなり無理していることが分かります。 5.5Mはミニバンのイプサム並みで、コンパクトカーとしては ちょっと大きすぎでしょう。 燃費は車重の違いがそのまま出たようで、ヴィッツの18.6km/Lに対し、イストは18.0km/Lと数値上は大きな差ではありません。 基本的に同じエンジンは給排気系の取り回しが違うようで、微妙に数値に差があります。 最大出力は共に6,000rpmで、ヴィッツの81KWに対し、イストは80KW。 最大トルクは共に4,400rpmで、ヴィッツの141Nmに対し、イストは138Nmとイストが若干低い数値です。 イストは給排気系で無理をしているようで、重い車重でトルクが少なくなっている点が気になるところです。 その他、燃料系や足廻りの基本はヴィッツとイストは同じようで、タイヤサイズがヴィッツの186/60 R15に対し、イストが195/60 R16とヴィッツより直径が大きいタイヤを履いています。 総評 デザイン面では、未来派のデザインを万人向きに抑えたヴィッツと未来派デザインを強い個性でリードしようというイストという違いが見られます。 特にイストは外見はそれほど特化したデザインではないものの、内装の強い個性が目立ちます。 逆にヴィッツは未来派のデザインを万人向きに抑えてまとめているところから、クルマの狙いが良く分かります。 ヴィッツはスタンダードなコンパクトカーの枠の中での未来派志向なのに対し、イストはデザインのみならず作りもちょっと高級志向の個性の強さ、いわゆるデザイナーズブランドを作ろうとしたことが分かります。 そのため、全体的にバランスよく安全にまとめられたヴィッツに対し、イストはデザインを最優先。 5ナンバー枠を出て、デザインの為に無理に大きいタイヤを履き、給排気系にも無理をしているという欠点が出てきているのです。 デザインを優先することは良いですし、デザイン自体も上手くまとめているのですが、それでマイナス面が多数出てくる点だけはいただけません。 イストには性能を損なわないデザインの良さを追求して欲しいものです。 ヴィッツには安全性を重視した、ちょうど10年前のスターレット(GOAを初めて採用)の意気込みが感じられます。 あと欲しいのは、環境性能(フィットに劣らない燃費)という点でしょうか。 同じような未来派指向のデザインの両車ですが、やはりヴィッツはスタンダードのコンパクトカーの枠に上手く抑えている点が印象的で、イストは全ての枠を取り払った デザイン追求の結果生まれたクルマという印象です。 用語について 左 トヨタ ヴィッツ 右 トヨタ イスト 以下 仕様です。 ヴィッツは1.5Uグレード、イストは150Gグレードを紹介します。
data:2007/09/24 ページトップへ 車を考える部屋 |
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